ＧＷに突入したとはいえ、例年とは全く異なる日常となっている。学校に来るとき以外は、おとなしく家に籠もっているのである。

書斎の片付けの途中で、今回はふと文庫本に手を出した。

「幸福の形はいつも同じだが、不幸の形はそれぞれ違う」という格言をご存知だろうか。

正確には格言ではなく、トルストイの『アンナ・カレーニナ』冒頭に出てくる文章、「幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである」という文言が簡略化されて、格言のように人口に膾炙したものだと聞いたことがある。

「幸福」を平穏無事な日常とすれば、確かに、万人が共有するものである。そして、「不幸がそれぞれに違う」ということを、「それぞれの受け止め方で違ってくる」と解釈すれば、何となく腑に落ちるかなと思う。

長引く現在の「自粛」も受け止め方によってかなり異なってくるだろう。

退屈、ストレスフル、イライラ、誰のせいだっ！というチャンネルに陥ってしまえば「不幸極まる」こととなる。

自分を見つめ直すチャンス、ゆとりが持てる時間、落ち着いて自分を創るための生活と捉えることができれば「不幸」とは言わなくて済むかもしれない。

もちろん、お仕事の内容によっては「そんな生ぬるいこと、甘っちょろいことは生活がかかっていないから言えるんだ。」とお叱りを受けるかもしれないのだが。

とりあえず、自宅での時間を過ごしている中学生や高校生の皆さんに対してということで、ご容赦いただきたいものである。

本日はここまで。

本日の招き猫は「黒」、多少シリアスな感じの猫である。厄除けである。